【ゆり】かささぎの 渡せる橋におくしもの
しろきをみれば 夜ぞふけにける
このブログは文章練習ブログですが、気の向くままに日々の想いを書くのも良いけれど、ちょっとテーマを決めて書いてみるのも楽しいのでは。とのことで、チャレンジしてみます。
百人一首をメインに、その他の詩、短歌などをテーマにしてつららと書いてみる。今日のテーマに選んでみたのが冒頭の一首です。梅雨明けしてそろそろ夏本番といったところですが、一気に冬の歌をもってきました。ちょっと冬の情景に想いを馳せて、キリッとした空気の冷たさを感じるのはどうでしょうか。
とはいえ私、読書感想文がむちゃくちゃに嫌いだったので、こういうの苦手なんですよね・・・。まあそこも練習と思って、つべこべ言わずいってみましょう。
■歌と歌人
六番「かささぎの 渡せる橋におくしもの しろきをみれば 夜ぞふけにける」
中納言家持(718年頃〜785年頃)
■現代語訳
『冬の夜空にこうこうと輝く天の川の、鵲(かささぎ)が翼をつらねて渡したという橋に、あたかも霜が置いたように白く見えているのを見ると、天上の夜もすっかり更けたことだなあ。』
−『新版百人一首』島津忠夫 より
(・・・はて?)
私が小学生のとき少し覚えて、今でも覚えている数少ない歌のうちの一つです。
当時はかささぎというのが鳥であることはイメージできていたものの、それ以外はなんとなくです。「鳥、かわいいんだろうなあ」くらいのテンションでこの歌を覚えることにしたような記憶があります。
−ココカラ 小学生私の解釈イメージ
真っ暗な夜、夜空には星が輝き橋には白くまぶしい霜が積もっている。
真っ白なかささぎが、橋を渡るのは今かと大きな羽を広げようとしている。大きな羽を広げ羽ばたき、橋を渡りきる頃には夜もずいぶん更けているだろう。
−小学生私の解釈イメージ終わり
・・・それっぽくないですか?
という冗談は置いといて。
どうやら、小学生私イメージとは似て非なるものだったようですね。(似てもなく単純に非なるものだね)
■現代語訳の意味
現代語訳の意味ってなんか変だな。でも、そのままではよく分かりませんね。
(現代語訳
『冬の夜空にこうこうと輝く天の川の、鵲(かささぎ)が翼をつらねて渡したという橋に、あたかも霜が置いたように白く見えているのを見ると、天上の夜もすっかり更けたことだなあ。』 )
「鵲(かささぎ)が翼をつらねて渡したという橋」
七夕の夜、織姫に川を渡らせるため、かささぎたちが天の川に翼をひろげて橋を作ったという伝説上のお話があるのだそう。
「あたかも霜が置いたように白く見えているのをみると」
霜は、天の川に散らばる星の例えだそうです。
冬の夜空を見上げて、空に白く輝く天の川を眺め、ああ、冬の夜も更けていくなぁと感じ入ったものを歌ったものであるようです。
■こういうときに読みたい
晴れた日の冬の夜空を眺めていると、空気の冷たさと同時に視界が澄んでいるように感じられます。私自身、星を眺めるのは好きで星がよく見えるところではつい立ち止まって空を見上げます。
星空を眺めていると、星空をテーマにした曲が聴きたくなります。
BUMPの『天体観測』『プラネタリウム』や、ELLEの『スターフィッシュ』、化物語主題歌の『君の知らない物語』とかね。いいよね。
だけど、ちょっといつもとは趣向を変えて、冬の星空を眺めながら1300年前に作られた歌を思い出すのもいいかもしれませんね。
(おわり)
※そういえば鵲(かささぎ)は、カラスの一種で、小学生私イメージの真っ白な鳥ではありません。笑
こんなの